マンガでわかる福祉機器展
「福祉機器展」への思い、その志などを漫画で紹介しています。
福祉機器や福祉サービスに関心のなかった人にも読んでいただけると幸いです。
漫画(本編)
※横書きですので、左のコマから順にお読みください。
オマケ/漫画メイキング集
以下は漫画執筆前に作成した「シナリオ」と「ネーム(絵コンテ)」です。漫画あるいは映像になったときの情景を思い浮かべながらシナリオを執筆し、それを元に「ネーム」と呼ばれるラフスケッチを作成します。今回は上記漫画そのままに近い形で完成していますが、多くの場合は各段階ごとに内容の再検討を繰り返し、初稿とは大きく異なるものになる場合もあります。
その後、実際の作画に入り、キャラクターの作画と並行して背景や登場するアイテム(この例では各種福祉機器など)の作画も進めていきます。当プロダクションの場合は、1人1人のキャラクターや背景、登場アイテムなどは全て別々に描かれ、それをデジタル合成・編集して完成原稿へと仕上げています。背景・アイテムなどは写真を加工して漫画用のイラストに加工しています。
シナリオ
1)
表紙
「いつかのために。誰かのために。 ~マンガでわかる福祉機器展~」
2)
あなたは、自分の体をどのように感じているだろうか。
歩く。走る。立つ。座る。掴む。見る。聴く。
多くの人が、思い通りに体を動かせることは当たり前だと思っている。
3)
その一方で、当たり前が当たり前ではない人たちもいる。
事故、災害、病気、高齢化。
様々な要因で、四肢が自由に動かせなくなってしまった人たちがいる。
そのことは、みんなが知っている。
けれど。
どこかで、そうした人たちは特別な人だと思っていないだろうか。
知ってはいても、自分とは関係ないことだと思ってはいないだろうか。
何も問題がないときには、気づけないこと。
関心を持てないこと。
4)
それでも、そのときは、いつかやってくる。
障害のある人たちも、自分がそうなるとは考えていなかっただろう。
歳を取って体が思い通りにならなくなった人も、実際にそれを感じるまでは意識できないことが多い。
家族が、友人が、自分自身が、ある日突然、その日を迎える。
そのときに、どうすればいいのだろうか。
これまでと同じような暮らしは、望めなくなるのだろうか。
今までの自分は、いなくなってしまうのだろうか。
5)
ちがう。
そうはさせない。
そのために、私たちがいる。
足を失っても、走り続けられるように。
耳が遠くなっても、今まで通りに暮らせるように。
多くの人たちが、研鑽し、工夫し、研究し続けてきたこと。
その1つ1つを実際に体験し、可能性を感じてもらう場所。
6)
福祉機器展。
義手。義足。装具。
車いす。歩行器。杖。靴。
補聴器。リハビリ機器。介護用品。
そこには、夢を、未来を、幸せを、失わせないために生み出された様々な製品がある。
そうした製品、サービス、サポートに情熱を注ぐ人々がいる。
7)
見て欲しい。
触れて欲しい。
感じて欲しい。
物珍しさで構わない。
遊びに来るだけでも構わない。
楽しみながら、ほんの少しずつ知って欲しい。
いつかのために。
誰かのために。
もしも「その時」が訪れたときに、恐れずに再び立ち上がるために。
立ち上がれる社会を整備していくために。
8)
忘れないで欲しい。
私たちは、支え続ける。挑み続ける。
どんなときでも、どんなことがあっても。
もっとアクティブに。
もっと自由に。
怪我や病気になっても、何もあきらめなくていい世界。
福祉機器に関わる全ての者が、それを信じ、目指し続けていることを。
END
ネーム(絵コンテ)
以下が本番の作画の前に作成する「ネーム(絵コンテ)です。いわば漫画の設計図で、簡単な絵や作画の指示などが書き込まれており、これに基づいて作画を進めていきます。
作画データ
漫画の中に合成される前の作画データの一部です。バラバラに作成されたキャラクターや背景を先の「ネーム」に従って漫画のコマ割の中に配置していきます。ラフスケッチと完成画ではバランスが異なるため、全体のレイアウトを取り直しながら配置し、必要な処理を加えて違和感がないように1コマずつ整えていきます。
なお、上記漫画は2色カラー化して掲載していますが、実際の完成原稿はモノクロ(グレースケール)です。